2020-02-04 10:35

KEISUZUKIのたまに書く日記『自分を潤すだけなら説明はいらない』

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表参道と青山通りをL字型に結ぶ小路があり、素敵な店々が立ち並んでいる。
このサブストーリトを「青参道」と呼ぶそうです。名付け親はアシュ・ペー・フランス。
30年の旅の先々で出会った感動やクリエーションが詰まった系列ショップが界隈には23店舗。
H.P.FRANCEがラフォーレ原宿に1号店をオープンしたのが84年。それから36年経ちいまや直営が65店舗。当初の社名は「原宿プロジェクト」。
頭文字のH.P.はその名残であり、原宿への愛着がうかがえます。
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では社名につくフランスはなぜ?
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やがて店舗が増えて、フランスで買い付るようになる。現地のフランス人女性が「これ素敵よ、どうかしら」と勧めてくるものたちは、少し変わっていた。例えば、針金でぐるぐる巻かれただけの指輪とか、小さくて何も入らないハンドバッグだったり。
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”なるほど、高価なものが美しい宝石とは限らないし、機能性が備わっているものが高価とも限らない。”
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そんな驚きと洗礼を持ち帰ると、この感性は原宿の文化と親和性が高いことに気が付く。
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そういえば、90年代のぼくは、フリーマーケットでアンティークを掘り出し、古着屋で買ったクリームイエローのセーターにグレンチェックのモッズパンツを合わせ、耳にはピアス。4色のペンキを使って、自分で塗ったドクターマーチンを履いて、髪はいつも栗色だった。
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いつからか「好きな街は?」と聞かれると「原宿」ではなく「銀座」と答えるようになったけど。
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改めて青参道を歩くと、”自分だけの正解”を知っていて、それを楽しんだ、あの感覚が蘇る。
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説明という手段は社会生活において必要だけど、ファッションは説明できないから価値がないとは限らない。
本当は、自分を潤すだけなら、説明なんていらない。
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”よくわからないけど素敵。”
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そう思えた時に、すでにこの心は満ちている。
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青参道にあるH.P.FRANCE「水金地火木土天冥海」にて。
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