2021-01-11 13:37
The story behind “Helene” and KEISUZUKI avec H
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The story behind “Helene” and KEISUZUKI avec H

幼少時以来初めてショートに髪を切って数日経ったある日、私は突然、鈴木圭くんに連絡をしました。
友人の結婚式に出席するため、この新しい髪型に似合いそうなクラシカル感、でも決して古さも感じさせない、そして甘くない絶妙なドレスを、と国内外で随分探したけれどどうしても見つからず、ふと、以前に友人の友人として紹介された彼を思い出したのです。
実はそれまでに友だちの集まりでお会いしたのがほんの1,2回。
洋服に関してお互いの想いを語り合ったことはありませんでした。
けれど、なんとなく、好きな女性像が似ているような気がして、そして今回求めているものにぴったりな気がして、そんなことを請け負っているかも知らぬまま、自分の勘と勢いだけで思い切ってフルオーダーをお願いしてみたのです。
この急な思いつきは大正解。
私の脳内に描いていた理想のドレスは、あっという間に圭くんの手で更なる美しい姿へと進化してカタチになりました。
その後何度も細部を微調整し、遂に完成して袖を通したときの内からこみ上げる高揚感は想像を遥かに越えたもの。
自分を鏡に映し出してこんな気持ちになったのは初めて。
今も、そしてこれからもこの瞬間の出来事は私の心に残り続けることでしょう。
さて、そのドレスはというともちろん意気揚々と纏わせていただき、友人の結婚式に出席。
そうそう、圭くんにお礼の意味も込めてドレスの記念写真を!と、帰りのタクシー待ちの間の1,2分でサッと親友に携帯で5,6枚撮ってもらいました。
そのうちの1枚が、Instagramでたくさんの反響をいただき、その後、まさか様々な場所でメインビジュアルとして大きく貼り出されることになるなんて。
本当に人生って何が起こるか分からない!
せっかくならあの纏った瞬間の高揚感を皆さんにもと提案し、シーズンレスの完全オーダー制で始めることになったこのコラボドレス。
私の洗礼名エレーヌから、ヘレナと名付けたのもこのタイミングでした。
今ではヘレナの色数も増え、”KEISUZUKI avec H<ケイスズキ アッシュ>”というコレクション名のもと、ヘレナの隣にいそうな女性たちの装いを想像した別のドレスも少しずつ生まれています。
元々”街の景色をエレガントに”を服づくりのコンセプトにしてきた圭くんと、もっと日本人の大人の女性の魅力を引き出したいとかねてから考えていた私。
図らずも”ドレス”という非日常の服を通して二人の想いはひとつのかけらを生み出すこととなりました。
着ていく場なんてない、と躊躇してしまうのではなく、このドレスが素敵な場所に連れて行ってくれるかもしれない、そう思える存在。
華やかな世界に縁はないと思っている人でも、少しだけ華やかな場所に行きたくなる存在。
私なんて似合わない、と思っていても、纏った瞬間に想像とは違う自分に女性としての喜びを感じて思わず笑みが溢れるもの。
自信をなくして後ろ向きになっている自分に、前へ歩き出す一歩を与えてくれるもの。
ワンシーズンで終わってしまうからと慌てて買うのではなく、自分のタイミングで家に迎え入れ、年月も思い出も共に重ねて自分だけの一枚へとなっていくドレス。
どんな人にだって、日々の中にドラマティックな、思い出に残る場面はある。
そんな大切な瞬間のお手伝いができたら…
私と圭くんはそんなことを考えながら、これからも少しずつ丁寧に、このコレクションを生み出していきたいと考えています。
追伸
正直前向きなのか後ろ向きなのかわからない理由でトライしたかったショートカット。
でも切ってみてよかったと改めて思えたのもこのドレスのおかげです。
Creative director 白澤貴子
How to order the dress of ”KEISUZUKI avec H”
こちらのコラボラインに関しましては原則的に、KEISUZUKIのアトリエまたはポップアップショップにてデザイナーと対面してご注文いただき、そこから作り始めてお渡しする完全オーダー制にさせていただいております。
まずはご自身に近いサイズのサンプルを着ていただき、オーダーを決めていただいた際にはお直しが必要な部分をご相談しながら最終的な内容を決めていく流れです。
購入したいけれど、遠方でなかなか購入できないからオンラインショップをと言ってくださる方やすぐに欲しいとおっしゃってくださる方もいらっしゃり、このご時世とは逆行している部分もあるかもしれません。
ただ、できるだけ一人一人にぴったりの、ということはもちろん、作り手として、このドレスたちのストーリーの始まりを大切に共有したい。
私たちのエゴかもしれませんがこの想いは今のところ強く、そのことで金額やブランドネームとは全く違ったドレスの価値をきっと感じていただけると信じています。
